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- 症状
- 病名
男性に多い症状
トイレが近い、回数が多い
(頻尿)
一般的には朝起きてから寝るまでの間に、排尿が8回以上の場合を頻尿といいますが、1日の尿回数はその人の飲水量や運動量によって様々ですので、一概に何回が異常とはいえません。
ご自身で排尿回数が多いと感じる、頻尿によって日常生活に支障があるなどの場合にはご相談ください。
前立腺肥大症 /
過活動膀胱 /
神経因性膀胱 /
膀胱結石 など
夜間何度もおしっこに起きる
夜間、トイレに行くために2回以上起きなければならない状態を夜間頻尿といいます。
加齢とともに頻度が高くなり、回数が多くなると睡眠が十分にとれず、日常生活に支障をきたす場合もあります。
前立腺肥大症 / 過活動膀胱 / 夜間多尿 / 神経因性膀胱
尿が出にくい、勢いが弱い
(排尿困難)
おしっこをするのに時間がかかる、途中で途切れる、おなかに力をいれないと出ない等の症状で、これは膀胱から尿道の出口までの通過に障害がある、もしくは膀胱の収縮が悪くなっているために起こります。
【考えられる病気】前立腺肥大症 / 神経因性膀胱
尿が漏れる(尿失禁)
自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことです。
尿失禁は大きく分けて次の2つに分類されます。
過活動膀胱 / 神経因性膀胱 など
尿が残っている感じがある
(残尿感)
おしっこをしたあとも尿が出きっていない感じ、残っている感じがあるという症状です。実際に尿が残っていることもありますし、残っていないのに残尿感を感じることもあります。
【考えられる病気】前立腺肥大症 / 過活動膀胱 / 膀胱炎 / 慢性前立腺炎 / 神経因性膀胱 など
おしっこする時や、した後に痛みがある
(排尿時痛)
男性の場合は尿道炎や前立腺炎等、尿路に炎症が起こった場合に起こる症状です。
まれに、膀胱がん等の悪性腫瘍によって排尿時痛が起こることもあるため、注意が必要です。
膀胱炎 / 尿道炎 / 前立腺炎 / 性感染症 など
おしっこが赤い(肉眼的血尿)/
健康診断でおしっこに血が混ざっていると言われた
(尿潜血、顕微鏡的血尿)
尿に血が混ざる原因は主に3つあり、尿路結石、尿路に炎症がある(尿路感染症)がある、尿路のがん等です。
がんの場合でも、血尿は出続けるわけではなく、血尿が止まったからといって安心してはいけません。血尿が出ない期間も長期間あるため、一度でも肉眼的血尿が出た場合には必ず泌尿器科を受診してください。
腎結石・尿管結石・膀胱結石 /
膀胱炎 /
前立腺炎 /
膀胱がん・尿管がん・腎盂がん
など
睾丸(精巣)が腫れている
痛みも何もない場合、入浴中などに突然、片方の精巣や陰嚢が腫れていることに気づかれることがあります。
精巣の腫れ以外に痛みなどの症状がない場合に考えられる病気は、陰嚢水腫、精巣がん等です。陰嚢水腫は両側に生じる場合もあります。
発熱や痛みを伴う場合は精巣上体炎を疑います。
精巣がん / 精巣捻転 / 精索静脈瘤 / 精巣上体炎 など
女性に多い症状
トイレが近い、回数が多い
(頻尿)
一般的には朝起きてから寝るまでの間に、排尿が8回以上の場合を頻尿といいますが、1日の尿回数はその人の飲水量や運動量によって様々ですので、一概に何回が異常とはいえません。
ご自身で排尿回数が多いと感じる、頻尿によって日常生活に支障があるなどの場合にはご相談ください。
過活動膀胱 / 神経因性膀胱 / 膀胱結石 など
夜間何度もおしっこに起きる
夜間、トイレに行くために2回以上起きなければならない状態を夜間頻尿といいます。
加齢とともに頻度が高くなり、回数が多くなると睡眠が十分にとれず、日常生活に支障をきたす場合もあります。
過活動膀胱 / 夜間多尿 / 神経因性膀胱
尿が漏れる(尿失禁)
自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことです。
尿失禁は大きく分けて次の2つに分類されます。
【考えられる病気】 過活動膀胱 / 神経因性膀胱 など
尿が残っている感じがある
(残尿感)
おしっこをしたあとも尿が出きっていない感じ、残っている感じがあるという症状です。実際に尿が残っていることもありますし、残っていないのに残尿感を感じることもあります。
【考えられる病気】過活動膀胱 / 膀胱炎 / 神経因性膀胱 など
おしっこする時や、した後に痛みがある
(排尿時痛)
多くの場合は膀胱にばい菌が入った膀胱炎の症状ですが、まれに膀胱がん等の悪性腫瘍によって排尿時痛が起こることもあるため注意が必要です。
【考えられる病気】膀胱炎 / 性感染症 など
おしっこが赤い(肉眼的血尿)/
健康診断でおしっこに血が混ざっていると言われた
(尿潜血、顕微鏡的血尿)
尿に血が混ざる原因は主に3つあり、尿路結石、尿路に炎症がある(尿路感染症)がある、尿路のがん等です。
がんの場合でも、血尿は出続けるわけではなく、血尿が止まったからといって安心してはいけません。血尿が出ない期間も長期間あるため、一度でも肉眼的血尿が出た場合には必ず泌尿器科を受診してください。
腎結石・尿管結石・膀胱結石 / 膀胱炎 / 膀胱がん・尿管がん・腎盂がん など
膣になにかはさまっている感じがする
(骨盤臓器脱)
骨盤臓器脱とは、膣、子宮、膀胱、直腸が膣から降りてきている状態です。出産や加齢によって骨盤内の臓器を支える筋肉や靭帯が痛んだり緩んだ場合に起こります。
脱出する臓器によって、膀胱瘤、直腸瘤、子宮脱に分けられます。
骨盤臓器脱
こどもに多い症状
おねしょ(夜尿症)
子どものおねしょ(夜尿症)は「5歳以上で1ヶ月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3ヶ月以上つづくもの」と定義されています。
【考えられる病気】夜尿症
陰嚢内に睾丸(精巣)がない
陰嚢内に睾丸が一つしかない、もしくは両方ともない状態です。
【考えられる病気】停留精巣
包茎
包皮を下げて亀頭を露出できない状態で、亀頭が全く見えない場合(真性包茎)と、少しだけ見える場合(仮性包茎)があります。
【考えられる病気】包茎
おちんちんの先が腫れている、
痛みがある
亀頭や包皮に細菌が感染して炎症を起こした状態(亀頭包皮炎症)や、包茎のために尿が出にくい状態が原因となる場合もあります。
【考えられる病気】亀頭包皮炎 / 包茎
がん
前立腺がん
前立腺は男性にのみ存在する臓器で、精液の一部を生成しています。
食生活の欧米化や血液検査による検診の普及により、現在、肺がんと並んで男性の罹患するがんのトップとなるほど増加しています。
膀胱がん / 尿管がん / 腎盂がん
膀胱、尿管、腎盂(じんう)は尿の通り道であり、全て同じ尿路上皮という粘膜で覆われています。ここから発生するがんを尿路上皮がんといいます。
この尿路上皮がんが発生する場所によって、膀胱に発生するものを膀胱がん、尿管に発生するものを尿管がん、腎盂に発生するものを腎盂がんとしています。
腎がん
腎臓に発生するがんです。
比較的進行が遅く、症状もないため、内科検診等で偶然見つかることが多い病気です。
腫瘍が小さければ腫瘍だけを切除する部分切除も可能です。
副腎腫瘍
副腎は腎臓の頭側に存在する、各種ホルモンを生成している臓器です。
副腎にできる腫瘍の多くは良性のものですが、中には血圧や血糖値を上げるホルモンを産生したり、がんの可能性もあるため、検査や経過観察が必要です。
精巣がん
精巣に発生するがんです。
精巣腫瘍はデリケートな部分の疾患なので受診をためらう方もいらっしゃいますが、進行が早いためできるだけ早期に手術が必要です。
症状のある方は速やかに泌尿器科を受診してください。
陰茎がん
陰茎に発生するがんですが、男性のがんの0.5%未満と稀ながんです。
リスク因子として陰部の不衛生、包茎、喫煙、HPVウイルスがあります。
良性疾患
前立腺肥大症
前立腺は男性にのみある臓器で、精液の一部を産生しています。膀胱から伸びる尿道を取り巻くように位置しています。前立腺が肥大することにより、尿の出が悪くなることがあります。
過活動膀胱
膀胱が過敏になり、尿が十分に溜まっていなくても意思とは関係なく膀胱が収縮し、トイレが近い、間に合わないなどの症状がでます。
腎結石 / 尿管結石 / 膀胱結石
尿の通り道にできる結石のことで、結石のある部位によって、腎(腎臓)結石・尿管結石・膀胱結石と分類されます。
夜間多尿
夜間の尿量が多くなり、何度もトイレに起きるものです。目安としては、24時間の尿量に対する夜間尿量の割合が33%を超える場合を夜間多尿といいます。寝る前の水分の過剰摂取、ホルモンバランスの乱れ、高血圧や心不全、腎機能障害などの内科の病気によるもの、睡眠時無呼吸症候群などが原因の場合もあります。
腹圧性尿失禁
尿道を支える骨盤底筋という筋肉が弱ったり、痛むことにより尿道をうまく閉められず、尿が漏れるようになります。
神経因性膀胱
排尿や蓄尿に関わる神経が障害されることにより起こる病気です。
神経が障害される場所により頻尿となったり、尿が出にくくなったりと症状は様々です。
男性更年期症候群
(LOH症候群)
更年期障害といえば女性の疾患と思われがちですが、男性も男性ホルモン(テストステロン)が急激に減少することによって、不眠や抑うつなど様々な不調が現れることがあります。
精巣捻転
精巣に繋がる精巣動脈を含む精索がねじれる(捻転する)ことで、精巣の激しい痛みを生じます。
原則として発症から6時間以内の緊急手術が必要です。症状が出現した際にはすぐに泌尿器科専門医を受診してください。
真性包茎
包皮を下げて亀頭を露出できない状態のことです。排尿や性行為に支障をきたしたり、陰茎がんのリスク因子ともなります。手術は保険適応となっており、当院で日帰り手術が可能です。
精索静脈瘤
精巣(睾丸)に繋がる静脈が昆布状に拡張する病気で、会陰部の痛みや違和感、不妊の原因となることがあります。
骨盤臓器脱
出産や加齢により、骨盤の筋肉や靭帯が緩み、子宮や膀胱、直腸が下がって膣から外に出てしまうことがあります。
感染症
膀胱炎
膀胱の中で細菌増殖することで膀胱の粘膜に炎症が起こり、血尿や頻尿や排尿時痛の原因となります。
腎盂腎炎
膀胱から細菌が逆流して起こる腎臓の感染症です。
重症の場合は血液の中に細菌が入り敗血症となることもあり、速やかな治療が必要です。
前立腺炎
前立腺は膀胱の下にあり、性液の一部を生成しています。
前立腺に細菌が感染すると、頻尿、排尿困難、排尿時痛が生じ、多くの場合高熱が出ます。
精巣上体炎
精巣上体(副睾丸)とは精巣(睾丸)の外側にあり、ここに細菌が感染すると精巣上体炎となり、陰嚢の痛みや高熱が出ます。
性感染症
性的接触を介して口や性器に感染する病気の総称です。性感染症は不妊の原因ともなるため、感染が不安な場合には検査をおすすめします。
こどもの疾患
おねしょ(夜尿症)
子どものおねしょ(夜尿症)は「5歳以上で1ヶ月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3ヶ月以上つづくもの」と定義されています。
小学校に入っても夜尿症が治らない場合には、小児科や泌尿器科の受診をおすすめします。
停留精巣
精巣は胎児期にお腹の中で発生し、出生近くに陰嚢内まで下降してきます。出生時に精巣の下降が不完全で、陰嚢内に触知しない状態を停留精巣といいます。
生後6ヶ月を過ぎても精巣が陰嚢内に触れない場合には受診をおすすめします。
包茎
包皮を下げて亀頭を露出できない状態のことです。
排尿に問題なければ小学生くらいまでは経過を見て良いでしょう。
包皮輪が狭く、尿が飛び散る場合や、亀頭包皮炎を繰り返す場合は受診をおすすめします。
亀頭包皮炎
亀頭や包皮に細菌が感染し、排尿時痛などが出る場合もあります。
主な原因菌はブドウ球菌です。
包茎があると発症リスクが高くなり、炎症を繰り返すこともあります。
前立腺がん
前立腺は男性にのみ存在する臓器で、精液の一部を生成しています。
食生活の欧米化や血液検査による検診の普及により、現在、男性の罹患するがんでは肺がんと並んでトップとなるほど増加しています。
症状
かなり病期が進行するまで症状はないため、検診での発見が重要です。
一方でリンパ節や骨に転移しやすく、進行した場合には骨転移による腰部痛等の症状で発見される場合もあります。
検査
PSA |
PSAは前立腺に特有のタンパク質であり、前立腺組織が壊されると血液中に取り込まれます。これを測定することにより、前立腺がんの可能性を判断します。 一般的にはPSAが4ng/mL以上の場合は精密検査を受けることを推奨されます。 |
---|---|
エコー | 超音波で前立腺の形や大きさを確認します。 |
直腸診 | 肛門から前立腺を触診し、前立腺の大きさや硬さなどを確認します。 |
上記検査でがんが疑われる場合には、提携する総合病院での精密検査(前立腺生検やMRI検査)を行うこととなります。
治療
がんと診断された場合には、周囲組織への浸潤や転移の有無を調べるため、CTやMRI、骨シンチグラフィー等の検査を行い、がんの進行度や悪性度を判断し、年齢、体の状態、基礎疾患等を総合的に判断して主治医と相談して治療法を決定します。
PSA監視療法 |
前立腺生検で見つかったがんが、すぐに治療せずとも生命予後に関係がないと判断された場合には、経過観察を行いながら、過剰な治療を防ぐ方法です。 3~6ヶ月ごとのPSA検査や直腸診、1~2年ごとの前立腺生検を行い、がんの悪化の兆しがみられた時点で治療を開始します。 |
---|---|
手術 |
前立腺と精嚢を摘出し、膀胱と尿道を吻合する方法です。骨盤内のリンパ節郭清を行う場合もあります。 近年はロボット手術が主流で、小さい傷での手術が可能となっています。入院期間は10日程度です。 |
放射線治療 |
前立腺と精嚢に放射線を照射してがんを治療する方法です。照射する放射線の種類によって照射期間は異なります。 がんの状態によってはホルモン療法と併用することもあります。 |
薬物治療 |
前立腺がんの多くは、精巣や副腎から分泌される男性ホルモンの影響を受けて増殖するため、男性ホルモンの分泌や働きを抑えることによってがんの増殖を抑える治療法です。 手術や放射線治療が難しい場合、他の臓器に転移している場合、放射線治療の前後などに行います。 |
膀胱がん/尿管がん/腎盂がん
尿の通り道である膀胱、尿管、腎盂(じんう)は全て同じ尿路上皮という粘膜で覆われており、ここから発生するがんを尿路上皮がんといいます。この尿路上皮がんが発生する場所によって、膀胱に発生するものを膀胱がん、尿管に発生するものを尿管がん、腎盂に発生するものを腎盂がんとしています。
症状
- 健康診断で尿潜血やエコー検査の異常(水腎症や腎盂の腫瘍)を指摘される
- 頻尿や排尿時痛がある
- 赤いおしっこ(肉眼的血尿)が出る
がんによる血尿は持続的に出るわけではなく、全く出ない時期もあります。一度でも肉眼的血尿が出た場合には必ず泌尿器科を受診してください。
検査
尿検査 (尿細胞診) |
尿中のがん細胞の有無を確認します。 |
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膀胱鏡 | 尿道からカメラを挿入して膀胱内を確認します。CTやエコーで発見が難しい小さな膀胱がんの発見にも有用です。 |
エコー | 比較的大きな膀胱がんや腎臓の腫れ(水腎症)、腎盂の腫瘍等を確認します。 |
CT | 膀胱鏡では確認できない腎盂がんや尿管がん等の発見や転移の評価に有用です。 |
尿管鏡 | 上記の検査で腎盂がんや尿管がんが疑われる場合は全身麻酔をかけて、尿管の中にカメラを挿入し、腫瘍の確認や生検をします。 |
治療
膀胱がんの場合 |
内視鏡手術(TURBT)を行います。尿道から膀胱内に内視鏡を挿入し、がんを電気メスで切除する手術です。この治療でがんの組織や浸潤度合いを確定します。 がんが表層にとどまっている場合には、再発予防のため術後に抗がん剤やBCGの膀胱内注入を行うこともあります。 一方、がんが筋肉の層まで浸潤している場合には、膀胱を全て摘出する膀胱全摘+尿路変更術が必要となります。 |
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尿管がん/腎盂がんの場合 | いずれのがんでも、がんのある側の腎臓と尿管を全て摘出する腎尿管全摘術という手術が必要となります。 |
膀胱がん、尿管がん、腎盂がんのいずれの場合でも、がんが組織外に大きく浸潤している場合や、転移がある場合には薬物療法(抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬)を行います。
腎がん
腎臓に発生するがんです。
腎臓は体の背中側に位置し、左右に1個ずつあります。がんは基本的にはどちらか一方の腎臓に発生します。
症状
無症状のことが多いです。
進行すると血尿や腫瘍による腹部の膨隆健康診断や内科でのエコー検査で腎腫瘍を指摘されることがあります。
検査
エコー、CTで腎臓の腫瘍の大きさや位置などを確認します。
治療
腫瘍の大きさや位置によって、腫瘍の部分だけを切除する腎部分切除術と、腫瘍のある腎臓を全て摘出する根治的腎摘除術があります。リンパ節や多臓器に転移がある場合は、チロシンキナーゼ阻害剤や免疫チェックポイント阻害剤などの薬剤療法を行います。
副腎腫瘍
副腎は腎臓の頭側に存在し、各種ホルモンを生成している臓器です。
副腎に発生する腫瘍は主にホルモン産生腫瘍、ホルモン非産生腫瘍、副腎がんの3つに分けられます。
症状
副腎腫瘍は無症状のことがほとんどですが、ホルモンが過剰に産生される場合は高血圧や高血糖になることもあります。
検査
血液検査/尿検査/各種負荷試験 | ホルモン産生の有無を調べます。 |
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CT | 副腎がんかどうかの判断は主に大きさ(4cm以上)で行います。また、小さい増大傾向があれば摘除が望ましいとされます。 |
治療
ホルモンを産生しない小さい腫瘍であれば経過観察可能ですが、ホルモン産生腫瘍やがんの疑いのある腫瘍は、手術で摘除します。腫瘍のある側の副腎を手術で摘除することが一般的です。
精巣がん
精巣に発生するがんです。
精巣腫瘍はデリケートな部分の疾患なので受診をためらう方もいらっしゃいますが、進行が早いためできるだけ早期に手術が必要です。症状のある方は速やかに泌尿器科を受診してください。
症状
- 精巣(睾丸)の左右の大きさが違う
- 徐々に片方の精巣が大きくなる
- 精巣にしこりがあるなど
検査
採血 | 腫瘍マーカー(AFP、β-HCG、LDH)で病状や進行具合を確かめます。 |
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CT | がんの大きさや転移の有無を調べます。 |
治療
高位精巣摘除術という精索と精巣を摘出する手術を行います。
肺やリンパ節に転移がある場合や切除した精巣がんの進行度合いによって術後に抗がん剤投与や、放射線治療を行います。
陰茎がん
陰茎に発生するがんですが、男性のがんの0.5%未満と稀ながんです。
リスク因子として陰部の不衛生、包茎、喫煙、HPVウイルスがあります。
症状
- びらんや浅い潰瘍
- カリフラワー状の腫瘤(できもの)
検査
組織の一部を生検し、その他の性感染症や皮膚の腫瘍との鑑別をします。
治療
手術による切除が主ですが、放射線治療や進行がんに対する化学療法(抗がん剤)も行います。
前立腺肥大症
前立腺が肥大することにより起こる病気です。
前立腺は男性にのみある臓器で、精液の一部を産生しています。膀胱から伸びる尿道を取り巻くように位置しており、前立腺が肥大することにより、尿の出が悪くなることがあります。
症状
- 尿が出にくい
- 排尿に時間がかかる
- 尿が途中で途切れる
- トイレが近い
- 尿が残っているような感じがするなど
検査
血液検査でPSAを測定し、前立腺がんの疑いがないかを確認します。一般的にPSA 4ng/mL以上の場合は精密検査が推奨されます。
エコー | 前立腺の大きさや、残尿の有無を確認します。 |
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尿流動態検査 (ウロフロメトリー) |
尿の量や排尿時間、勢いをみます。 |
膀胱鏡 | 尿道狭窄の有無や前立腺部尿道の閉塞度合い、膀胱内への前立腺の突出度合いを見ます。 |
治療
内服治療 |
|
---|---|
手術 | 内服治療で効果が十分でない、または内服を継続することが難しい場合はレーザーで尿道の中から前立腺を蒸散し、物理的に閉塞を解除して排尿をしやすくする方法もあります。(CVP、PVP) |
過活動膀胱
膀胱が過敏になり、尿が十分に溜まっていなくても意思とは関係なく膀胱が収縮し、トイレが近い、間に合わないなどの症状が出ます。
問診や、1日の排尿記録、残尿の有無などを見て診断します。
症状
- 急に起こる強い尿意(尿意切迫)
- 急な尿意でトイレが間に合わず尿が漏れてしまう(切迫性尿失禁)
- 頻繁にトイレに行かなければならないなど
治療
内服 |
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ボトックス膀胱内注入療法 | 膀胱内に約20ヶ所程度ボトックスを注射することによって、膀胱の筋肉の収縮を抑え、頻尿や尿失禁を改善します。 |
腎結石・尿管結石・膀胱結石
尿の通り道にできる結石のことで、結石のある部位によって、腎(腎臓)結石・尿管結石・膀胱結石と分類されます。
腎結石は無症状で経過し、検診で発見されることも多くあります。
尿管結石は、突然起こる強い痛み(疝痛発作)や血尿が主な症状であり、夜間や明け方に起こることが多く、一部には腎臓に細菌が感染し38度から40度の高熱が出ることもあります(腎盂腎炎)。また、尿管の下の方の結石の場合は頻尿・残尿感など膀胱刺激症状を呈することもあります。
膀胱結石は前立腺肥大症等で尿の出の悪い人に多く、無症状のこともありますが、下部尿管結石と同様に、血尿や頻尿・残尿感などの膀胱刺激症状や、おしっこが途中で止まるというような症状を呈する場合もあります。
症状
腎結石 | 無症状で、検診で発見されることも多い。 |
---|---|
尿管結石 |
|
尿管結石 |
※無症状の場合もあります。 |
治療
小さい結石であれば、数日から数ヶ月で尿と一緒に排泄される場合もあります。
しかし、結石が大きくなると自然排石は困難であるため、体外衝撃波結石破砕(ESWL)や麻酔をかけて行うレーザー砕石術が必要になります。
夜間多尿
検査
排尿記録 | 何時にどれくらい尿が出たかを記録します。 |
---|
治療
男性の場合は、生活習慣の改善でも多尿が続く場合、尿を作る量を減らすホルモン(抗利尿ホルモン)の内服が可能です。内服により低ナトリウム血症となることがあるため、最初はこまめな血液検査が必要です。
女性の場合は、生活習慣の改善でほとんど夜間多尿が軽減するため、日本では夜間多尿に対してミニリンメルトの使用は認められておりません。
腹圧性尿失禁
尿道を支える骨盤底筋という筋肉が弱ったり、痛むことにより尿道をうまく閉められず、尿が漏れるようになります。骨盤底筋が衰える原因ですが、出産をする際に、骨盤底筋に負担が大きくかかります。それに加え、出産回数が多いと、傷ついた筋肉が完全に修復できない場合があります。
また、肥満も、そうでない場合と比較して腹圧が強くかかるため、腹圧性尿失禁となる場合があります。
症状
咳やくしゃみ、階段や坂道を下るときに尿が漏れてしまう
治療
- 骨盤底筋を鍛える骨盤底筋体操の指導
- 内服(スピロペント)
- 干渉低周波治療器(ペリネスタ)
神経因性膀胱
排尿や蓄尿に関わる神経が障害されることにより起こる病気です。
神経の障害される場所により頻尿となったり、尿が出にくくなったりと症状は様々です。
脳梗塞や脳出血、パーキンソン病、アルツハイマー病などの中枢神経の障害の場合、膀胱が勝手に収縮してしまい、尿を溜めることができにくくなるため、頻尿や、急激な強い尿意(尿意切迫感)、トイレまで間に合わずに漏れてしまう(切迫性尿失禁)などの症状が出現します。
一方で、二分脊椎、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、糖尿病、直腸がんや子宮がんの手術後などでは、脊髄から膀胱に向かう末梢神経が障害され、膀胱の収縮ができなくなり、尿が出にくくなる、ひどい場合は尿が完全に出なくなることもあります。
症状
- 頻尿
- 急激な強い尿意(尿意切迫感)
- トイレまで間に合わずに漏れてしまう(切迫性尿失禁)
- 尿が出にくくなる
- 尿意が鈍い
治療
神経の障害のため完治することは難しく、症状緩和をしつつ、尿路感染症の予防や腎機能の保護を目的に治療を続けることとなります。
残尿がなく、内服により頻尿や失禁のコントロールできない場合はボトックス膀胱内注入療法を行うこともあります。
男性更年期症候群
(LOH症候群)
更年期障害といえば女性の疾患と思われがちですが、男性も男性ホルモン(テストステロン)が急激に減少することによって様々な不調が現れることがあります。
診断にはAMSスコアで採点し、27点以上は軽度、37点以上は医療機関の受診が推奨されます。また、血中の男性ホルモン(遊離テストステロン)を測定し8.5pg/mL未満であれば、男性ホルモンが明らかに低いと判断されます。
症状
- 倦怠感
- めまい
- イライラ
- 睡眠障害
- 精神不安
- 勃起不全(ED)
治療
まずは漢方薬や安定剤などの処方で症状の変化を確認し、遊離テストステロンが低い場合にはテストステロンの補充も検討します。
前立腺がん、PSAが2.0ng/mL以上の方、睡眠時無呼吸症候群の方にはテストステロンの投与を行うことはできません。
精巣捻転
精巣に繋がる精巣動脈を含む精索がねじれる(捻転する)ことによって、激しい精巣痛が生じ、下腹部や鼠蹊部(そけいぶ)痛として現れることもあります。急激に発症し、一般的には精巣が成長する10代に多いとされていますが、成人発症も珍しくはありません。
精索がねじれ、血流が遮断されると精巣は壊死するため、原則として発症から6時間以内の緊急手術が必要です。症状が出現した際にはすぐに泌尿器科専門医を受診してください。
症状
- 激しい精巣痛
- 下腹部や鼠蹊部(そけいぶ)痛
- 陰嚢の腫れ
治療
発症後6時間以内に陰嚢を切開し、精索のねじれを解除します。解除した後は再び捻転しないように、両側ともに精巣を陰嚢内に固定します。
精巣が壊死している場合には、壊死した側の精巣は摘出しなければなりません。
真性包茎
包皮を下げて亀頭を露出できない状態のことです。排尿や性行為に支障をきたしたり、陰茎がんのリスク因子ともなります。手術は保険適用となっており、当院で日帰り手術が可能です。
症状
- 排尿に支障がある、尿が飛び散る
- 性行為に支障がある
- 亀頭包皮炎を繰り返す
精索静脈瘤
陰嚢を触ると精巣(睾丸)から上につながる管を感じることができます。これを精索といい、精子が通る管(精管)、精巣に栄養や酸素を送る精巣動脈、精巣から戻る血管である精巣静脈が入っています。精巣静脈の中の逆流防止弁が何らかの原因で機能せず、血液が逆流することで血管が拡張して瘤状になる病気です。
静脈瘤があると精巣内の温度が上昇し、精子を作る機能や精子の質が悪くなり、男性不妊の原因の30%を占めるといわれています。診察やエコー検査で静脈瘤の有無を確認します。
不妊の原因となるため、子どもをもつことをご希望の方は手術による早期の治療をおすすめしています。
症状
ほとんどの場合は無症状です。
精巣や陰嚢部分の痛みが出ることもあります。
治療
精索内の静脈を手術で結紮します。
骨盤臓器脱
骨盤の底には、子宮や膀胱、直腸などの臓器を支えている筋肉や靭帯があり、臓器が骨盤の外に出ないように支えています。しかし、出産や加齢により筋肉や靭帯が緩み、子宮や膀胱、直腸が下がって膣から外に出てしまう病気です。
外に出た臓器によって、子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤などに分類されます。高度に脱出すると常に股の間にものがはさまった状態で違和感を感じたり、尿や便が出にくくなることもあります。また、脱出した膣の粘膜が下着にこすれて出血するなど、日常生活にも支障をきたすようになります。
症状
- 膣に何か挟まった感じがする。
- 尿や便が出にくくなる
- 膣の粘膜が下着にこすれて出血する
治療
脱出が軽度の場合には、婦人科でリングペッサリーを入れる場合もありますが、脱出が高度な場合の治療は手術が選択されます。
膀胱炎
膀胱の中で細菌が増殖することで膀胱の粘膜に炎症が起こり、血尿や頻尿や排尿時痛の原因となります。一般的には抗生物質の内服で速やかに症状も改善します。水分を十分にとって尿を流すことも大切です。
症状
- 頻尿
- 排尿時・排尿後の痛み
- 尿のにごり
腎盂腎炎
膀胱から細菌が逆流して起こる腎臓の感染症です。
38度から40度の高熱となり、腎臓は左右に1個ずつありますが、感染している側の背中や腰が痛くなることもあります。発熱の前に頻尿や排尿時の痛みなどの膀胱炎の症状を認めることもあります。重症の場合は血液の中に細菌が入り敗血症となることもあり、速やかな治療が必要です。
症状
- 38度~40度の高熱
- 背中や腰の痛み
- 頻尿
- 排尿時の痛み
治療
抗生物質の内服や点滴で治療が可能ですが、尿管結石や腫瘍などで尿の流れが悪くなっている場合には、尿の流れをよくするために尿管ステントという管を尿管に挿入する処置が必要になります。
前立腺炎
前立腺は膀胱の下にあり、精液の一部を生成しています。
前立腺に細菌が感染すると、頻尿、排尿困難、排尿時痛が生じ、多くの場合高熱が出ます。
問診と尿検査、直腸診で診断し、抗生物質の内服や点滴、残尿が多い場合には尿道カテーテルの留置なども必要となります。
症状
- 排尿時の痛みや残尿感
- 尿が出にくい
- 38度~40度の高熱
- 排尿時の痛み
精巣上体炎
精巣上体(副睾丸)は精巣(睾丸)の外側にあり、ここに細菌が感染すると精巣上体炎となり、陰嚢の痛みや高熱が出ます。触診、尿検査、エコー検査で診断し、抗生物質の内服や点滴で治療します。精巣上体炎となる前に排尿時痛や頻尿など膀胱炎症状を認める場合もあります。
症状
- 片側の陰嚢(精巣上体)の腫れや痛み
- 38度~40度の高熱
- 排尿時痛
- 頻尿
性感染症
性感染症は、性的接触を介して口や性器に感染する病気の総称であり、クラミジア、淋菌、尖圭コンジローマ、梅毒などがあります。症状が出ない場合も多くありますが、性感染症は基本的には自然治癒しません。放置している間に進行し、不妊の原因となることもあるため、感染が不安な場合には検査をおすすめします。
症状
- かゆみ
- 痛み
- 性器からの分泌物
- 性器にできものがある
※無症状のこともあり、治療に結びつかないこともあります。
検査
- 血液検査
- 尿検査
- 性器の分泌物の検査
- 組織検査
治療
治療は感染している細菌やウイルスの種類によって異なります。基本的には抗生物質の内服や点滴を行います。その他、塗り薬やレーザー焼灼が必要な場合もあります。
おねしょ(夜尿症)
子どものおねしょ(夜尿症)は「5歳以上で1ヶ月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3ヶ月以上つづくもの」と定義されています。
小学校に入っても夜尿症が治らない場合には、小児科や泌尿器科の受診をおすすめします。
夜尿症の原因としては、睡眠中に膀胱がいっぱいになっても、尿意で目を覚ますことができないという覚醒障害を基礎としています。この覚醒障害に加えて、膀胱の働きが未熟である(膀胱容量が小さい、ある程度尿がたまると膀胱が勝手に収縮するなど)ことや、夜間尿量が多いことなどが重なると発生します。
治療
寝る前の水分制限や、寝る前に排尿をするなどの生活指導・行動療法を行い、効果が乏しい場合には夜間アラーム療法や抗利尿ホルモン薬の投与を追加します。
夜間アラーム療法 | 濡れたら鳴るアラーム付きのシーツを敷いて眠り、夜尿直後に起こす治療で、本人が起きない場合には家族の協力が必要です。 |
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抗利尿ホルモン薬 | その名の通り尿を出さない(利尿しない)ようにするホルモン剤で、夜間の尿量を減らす効果があります。水中毒を防ぐため、就寝前の2~3時間の水分制限が必要です。 |
停留精巣
精巣は胎児期にお腹の中で発生し、出生近くに陰嚢内まで下降してきます。出生時に精巣の下降が不完全で、陰嚢内に触知しない状態を停留精巣といいます。
新生児期には5%前後みられますが、1歳頃には1.5%前後の頻度となります。生後6ヶ月までは自然下降が期待できるといわれていますので、生後6ヶ月以降も陰嚢内に精巣が触れない場合には受診をおすすめします。
停留精巣があると、将来子どもを作る能力(妊孕性:にんようせい)が低くなり、より早期の手術治療で妊孕性低下を防ぐという考え方もあります。また、通常の陰嚢内の精巣に比べて、精巣がんの発生が3~4倍高いとされています。
治療
手術によって精巣を通常の陰嚢内の位置に固定する精巣固定術を行います。
包茎
包皮を下げて亀頭を露出できない状態で、亀頭が全く見えない場合(真性包茎)と少しだけ見える場合(仮性包茎)があります。包皮輪が狭い場合や、亀頭と包皮が癒着していることもあります。
男の赤ちゃんはみんな包茎であり、成長によって解消されますが、成人してからも包茎のままのことがあります。包皮が剥ける時期には個人差が大きいのですが、問題や支障がある場合には心身への負担を軽くするために治療をおすすめしています。
また、炎症を繰り返すなどの場合には早期の治療が必要なケースもあります。
症状
- 尿が飛び散る
- 排尿時におちんちんの先がふくらむ
- 亀頭包皮炎を繰り返す
治療
排尿等に支障がない場合には、一般的には小学生くらいまでは様子をみてよいと言われています。
必要に応じてステロイド塗布して包皮を柔らかくする治療を行う場合もあります。ステロイド塗布しても改善しない場合には
手術が必要となります。
亀頭包皮炎
亀頭や包皮に細菌が感染し、排尿時痛などが出る場合もあります。主な原因菌はブドウ球菌です。
包茎があると発症リスクが高くなり、炎症を繰り返すこともあります。
症状
- 亀頭や包皮の一部の赤み、腫れ、熱感
- 痛みやかゆみ
- 亀頭や包皮周囲に熱感がある
- 排尿時に疼痛や灼熱感を感じる
治療
抗生物質の内服や塗り薬で治療を行います。